2016/12/02東京
ボールの違い
みなさん、こんにちは。東京人材サービス部の堤です。
この原稿を書いているのが11月25日なのですが、前日の24日に東京で雪が降りました。
11月に雪が観測されたのは54年振り、積雪は観測を始めた1875年以来初めてだそうです。
私は地元の草野球チームに所属しているのですが、野球のシーズンは春先~秋にかけての暖かい時期。
今の寒い時期はオフシーズンで試合は行なわれません。
自分のチームも先日今季日程を終了し、「来年は勝とう!」や、「ユニフォーム変えない?」など、
来シーズンの話をしている所です。
雪の日は極端ですが、寒い時期に体を動かす時は、準備運動をしっかりして体を温めて、縮こまらないようにしてからでないと大きなケガにつながってしまいます。
来年2017年ですが、野球の国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」が開催されます。
この大会はメジャーリーグが主催ですので、メジャーリーガーも多数参加し、文字通り野球の世界一決定戦です。
先日WBC日本代表「侍ジャパン」の壮行試合も開催され、大会に向けてメンバーを選抜し、第1回・第2回に続く3回目の優勝を目指す事となります。
WBCで使用する公式球は、メジャーリーグ主催の大会ですのでメジャーリーグ使用球を使用するのですが、
ここでタイトルの「ボールの違いについて」。
日本とアメリカで使用するボールに違いがあるのはご存知でしょうか?
よくメジャーリーグのボールは「重い」とか「大きい」とか言われますが、規格は日本と変わらないんです。
何が違うかというと、ボールで使用する革の材質と製造過程にあります。
まずボールの中身ですが、ゴムまたはコルクの芯に糸をグルグル巻きにしてボールの形にする所は一緒です。
その表面に白い2枚の皮を巻きつけるのですが、日本のボールは牛革、メジャーのボールは馬革を巻いています。
手触りも、日本のボールはしっとり手に吸い付くような感覚があるのですが、メジャーのボールはツルツル・サラサラしています。
ちなみに、日本のボールは湿度を均一にするため、普段はアルミに包まれて保管をしています。
試合で使用する時は、中身を出してから、製造過程で付いた油や縫い糸に付いている蝋を落とすため、砂でこねてから使用するそうです。
続いて製造過程ですが、日本のボールは縫い目が均一で隙間もなく、縫い目の「山」がはっきりしています。
それに対しメジャーのボールは、日本のボールより太い糸で縫われているのですが、縫い目の間隔が広く、縫い目の「山」がつぶされており、隙間から中身が見えたりします。一言で言えば「粗い」。
隙間が見えそうになるほど粗い作りですので、その分縫い目も大きくなりますので、その感覚が「大きい」と感じる事かも知れません。
また、糸の太さが違うと空気抵抗も違ってくるため、一般的にメジャーのボールの方が変化球が曲がると言われています。
さらに、縫い目の「山」がつぶされているため、滑りやすい革質と相まって余計に滑りやすくなっています。
日本人メジャーリーガーは実力を認められて海を渡るわけですが、海を渡った先でも、環境はもちろん道具の変化にも適応しなければなりません。
適応ができなければもちろん実力も発揮できない訳で、現在活躍している日本人メジャーリーガーは様々な変化に対応して今があると思うと、目に見えない相当な努力をしていると思います。
(なかには、すんなり適応してしまった選手もいるとは思いますが・・・)
仕事でも、毎日毎日同じ事を繰り返す事は稀で、周囲は絶えず変化をしています。場合によっては、異動や転勤で環境が変わる事もあります。
「郷に入れば郷に従え」ではないですが、新しい環境で能力を発揮する為には、自己のスキルアップをするだけではなく、環境に適応する柔軟性も身に着けなければならないかも知れませんね。